レッドクリフ2


土曜日に上野で観てきました「レッドクリフ2」・・・1もそうですが、かって中国映画が日本国内でこれだけヒットしたことがあっただろうか、と考えるとこれは文化史的出来事なのかもしれません。
ただよくわからないのはこの映画の位置付けですね。先に中国映画と書きましたが、制作された場所は確かに中国です。しかし資本の多くは日本から出ている出ているのも事実のようです。相当の比率でavexが出してるらしい。テレビ朝日もグループで出資している。(映画冒頭でテレビ朝日のロゴが大きく出て開局50周年記念とでてくるのには苦笑してしまいました。これは映画が衰退しだしてから半世紀が過ぎたことを示すと同時に、テレビの衰退が始まった記念、というような意味合いを含んでしまっているように思えたからです。)とすると、この映画は日中合作なのか…という疑問です。パンフレットを購入しなかったのでネット上の確認だけなのですが、そういう表記はどこにもないのです。ひょっとしたら監督や出演者のほとんどは中国人ながら日本映画の枠に入ってしまうのかもしれませんね。
とは言っても、これからアジアを市場とした大作の映画制作が検討されていくのは間違いないことでしょう。
さて、映画そのものは大スペクタクルに違いなく、何しろ娯楽映画の巨匠と言われるジョン・ウー監督作品ですからね。映画的興奮からは程遠いものの、それなりに楽しめました。
小喬役のリン・チーリンを眺めているだけで幸せでした♪
曹操役のチャン・フォンイーの堂々たる演技にも好感が持てましたが、監督自身がインタビューで好きになれないと答えていた劉備はといえば、とんでもない姿を披露してましたな。戦場で投石器のヒモをつかんで宙吊りになってしまうんだから、もし関羽張飛が映画館で観ていたら涙を流して共にジョン・ウーの襲撃を決意することでしょう!!
中村獅童が大きな火炎瓶を複数掴んでぶん投げる姿は、地雷を複数体につけて戦場に横たわるイーストウッド硫黄島からの手紙」を思いおこさせました。硫黄島での未遂をはるか昔の赤壁で大願成就させたことになりますな。これは少し面白かった。
竜のように動きまわるカメラワークや、なぜかパンフォーカスを採用せず、したがって複数の人物が写っている時にひとりにしかピントがあわず、ストーリーや台詞によってそのピントが他の人物に移動するのはわずらわしかったですね。それは赤壁ではなく「へきへき」でした。