- 作者: 川本三郎
- 出版社/メーカー: 潮出版社
- 発売日: 2005/11/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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先に紹介した同じ著者による「東京暮らし」と同じ出版社、同じ装丁で出版されたエッセイ集です。「東京暮らし」が2008年2月の発行、この「旅先でビール」は2005年11月とその2年少し前に出版された「お兄さん」ですね。
「ご近所の緑」「日本の町を歩く」「駅物語」「旅の友は映画と文学」の4章からなり、ヨミウリウイークリー・潮・東京人に書かれたエッセイが集められています。
いやあ、いいよなあ…
平日にぶらりと水郡線に乗りに行き、小さな駅で途中下車、散歩してから駅前の大衆食堂や居酒屋にもぐり込みビールを飲みながら店の名物なんかに箸をのばす。女将さんの「昔はこのあたりも賑やかだったんだけどね…」と始まる昔話に耳を傾ける。
そういう関東周辺への小旅行や、各地の廃線間近の路線を訪ね、小さな駅に降り立つ。常磐線の原ノ町駅なんかは行ってみたいなあ。相馬馬追が行われる町で著者は昔風の商人宿に泊まる。あと内房線の南三原駅も行ってみたいところだ。外房も「海辺の叙景」で描かれた大原だとか「ネジ式」のモデルになった漁村に行ってみたい。共に大好きなつげ義春のマンガです。
また、栃木県矢板の赤滝鉱泉というところにも泊まってみたい・・・と魅力的なところが満載でした。
川本三郎さんのエッセイ集を読むと、行ってみたいところが増えるのと同時に、読んでみたい本も増えるんですよね。安住孝史さんの「東京 夜の街角」(河出文庫)や日本の田舎風景に惹かれて日本に移り住んだイギリス人ジョニー・ハイマスさんの写真集「田舎 こころのふるさと」「たんぼ めぐる季節の物語」などなど・・・
この本でファッション評論家である奥さんの川本恵子さんと仲睦まじく一緒に銀座に買い物へ行き、居酒屋に入ったりされていますが、昨年亡くなられたんですよね。それを思うと複雑な心境になるのでした。
■散歩堂 川本三郎さん「東京暮らし」紹介(2008年3月17日)
http://d.hatena.ne.jp/sampodow/20080317