桂つく枝改メ五代目文三襲名披露興行


演芸場に到着すると、早くから開場を待つ人々がロビーにあふれ完売御礼の盛況で安心致しました。つく枝師も「らくごりら」のユニットで年に2回程度来られるだけですからね。また襲名される文三(ぶんざ)という大名跡も90年振りの復活ということで本場大阪でも馴染はなく、ましてやお江戸では・・・と心配していたのですが杞憂、杞憂!!!




ああ三若ああああカルシウム不足家族



柳亭市馬ああああかぼちゃ屋


笑福亭鶴瓶ああああ青木先生



ああ三枝ああああぼやき酒屋



中入り



ああああああ桂三枝桂きん枝桂文珍柳亭市馬桂文三笑福亭鶴瓶


 
ああ文珍ああああ茶屋迎い



ああ文三ああああ崇徳院



開口一番は桂さこば師の娘さんと結婚した三若さん。三枝師のお弟子さんですね。私も最近結婚したんですが、よう喧嘩しますな、と笑わしてから「カルシウム不足家族」 やはり東京では三若がざこば師娘と結婚したなんてニュースは皆無だったんでね。言ってもいいのにな、とは思いましたがさわりもせずに終わりました。逆に思ったよりやるなあ・・・と感心致した次第です。

次は文句なしの市馬師。与太郎ばかウマの「かぼちゃ屋」・・・上方で言うところの「みかん屋」ですが、なんといってもヌケた与太郎が罪なく味深く最高でした。 原価を教え、売る際にはウエをみればその分がお前の取り分だ、と言われた与太郎・・・原価で売りながらズッとお天道様見上げてるんだからなあ・・・見上げたもんだ。

痩せた鶴瓶師は映画出演の話からお馴染「青木先生」。高校時代の国語の先生は興奮すると抜けた歯の間からピーッ!!と音が鳴るのを面白がりイタズラばかりする噺。青木先生が黒板に書くシーンで後ろ向きでしゃべるので「ピンマイク貸してください」と事務所に言ったら「別料金です」と言われ驚いたそうだ。そりゃ驚くわなあ・・・サスガ国立!! それにしても「青木先生」はもう何度も聴いていますが益々磨きがかかってきてますねえ!!

三枝師は大阪はインフルエンザ騒ぎで観光客激減でエライことですわ、とぼやいてから創作「ぼやき酒場」。枝豆食べる仕草がおなかが鳴る程にうまい!! うまいなあ・・・

さてさて口上は・・・上手から司会の桂きん枝師、ついでお江戸代表柳亭市馬師、鶴瓶師、文三師、三枝師、文珍師と並びました。市馬師が「文枝襲名」と間違えていきなりワチャクチャになったものの、自慢の喉で相撲甚句をうなってヤンヤの喝采。三枝師が「あとやられへん!!」とぼやかれました。(笑) 鶴瓶師がグダグダで、文珍師は手堅くまとめて総領の三枝師へ・・・ 三枝師が文三という名がいかに大きいか、なにしろ初代は2代目文枝を襲名したんですよ!!、三枝なんてこれぐらいに低いところで(と扇子で空中に線を引いてから)パンパンと床を叩いてきん枝はこの辺や!!と笑わせました。
最後は大阪締め・・・これまた鶴瓶師ぐだぐだで文珍師がやはり手堅く決め口上終了と相成りました。

文珍師は時々やられる「茶屋迎い」・・・若旦那が新町の御茶屋に居続けし、手代や番頭が迎えに行くが、みんなミイラ取りがミイラになる、しゃあないなあ・・・と重い腰あげた旦さん、久し振りに新町へ行ってみると昔馴染やった芸者に再会してしまい・・・というお噺。なかなか面白い噺ですね。

トリはもちろん文三師。「恋わずらい」のお噺です。と始まり、おや「崇徳院」?と思えば、てったい(手伝)の熊はんが天下茶屋から帰って来て、アンに違わん「崇徳院崇徳院」!!
それにしても襲名で「崇徳院」なあ・・・と少し驚きましたが手堅く笑いも多いええ高座でおました。冒頭の「『恋わずらい』言うても『鯉ヘルペス』と違いますよ」には笑えました。

今日もらったチラシによると、8月9日(日)に横浜にぎわい座で「横浜に出没!ラクゴリラ」があるようで、これは行くかねば!!

表に出ると小雨が降っていて急ぎ足で地下鉄永田町駅まで歩いたのでした。
いやあ、やっぱし上方落語はええなあ・・・