第157回「長崎寄席」異色二人会

亜羅仁 あああダンシングマジック


桂 前治 あああそばの殿様


立川談幸 あああ崇徳院


中入り  ああ実は抽選会


桂 前治 あああ本  膳


立川談幸 あああ火焔太鼓



(ダンシングマジック後に大慌てで作られた高座です。)




実は以前茅ヶ崎米朝一門会にご一緒した平塚さんの高校OBの方が主催者のお一人で、桂前治師・立川談幸師共に同高校OBという落語会にお誘いいただいたのでした。第157回とは老舗といっていい地域寄席ですね。100人を超える大入りした。
まずはマジック・・・暴走族の名前のような亜羅仁さん。配られたパンフレットによると、別府の「杉の井ホテル」や伊東に行くなら「ハトヤ」でショーをされていたという事、これはマジシャンにとって勲章なんでしょうか? ゲッツ張りの黄色い衣装に引き気味になりましたが・・・そこそこ見られるマジックショーで安心しました。ただ、どう考えてもダンシングは余計かな?
続いてが・・・

桂前治師。
この方は小学生の頃に桂文治師に「前治」という名前をいただいたという前橋のお医者さんで、すごく簡単にいうと素人の方なんです。しかし結び柏紋の入った羽織で登場されるからややこしいなあ。はじめて聴いた「そばの殿様」という噺に2席目の「本膳」・・・卒ない口跡ながらソレ以上でもないという感想ですね。ただ、もっとヘタな噺家なんていっぱいいると思いますから大したもんではあります。

中入りはハズレましたが大抽選会!! お菓子があたればよかったなあ・・・

いやいや本命さえハズレなければ全てよし!!です。そう、今日の期待の星は立川談幸師であります。
いやあ、キレイな口跡で聞き惚れました。よかったですねえ!!
いくらキレイでも途中でつまったり、言い間違えたりすると聴き入る客の気がスッと抜けてしまう、寄席全体がサイダー状態にシュワシュワとなっちゃうのですが、談幸師の2席とも開栓前のサイダーでして実に気が充満しておりました。
崇徳院」は上方ではよく聴きますが、江戸バージョンは初めてでした。ところが、細かいところまでソックリだったので驚きましたよ。ただ、舞台が上方が高津神社だったのが上野の寛永寺観音堂になるんですね。両方共に茶店の羊羹は分厚うて旨いらしい。
続いての「火焔太鼓」!! いやあ、「火焔」と言えば古今亭のお家芸!! 談幸師の「火焔」も気持ちのよいものでした。道具屋の女将さんが300両に驚愕しつつ柱につかまる様が聴けて満足でした。痺れました。
という事で終わりよければ全てよし!!
平塚さんは落語会の前から同窓の方と飲まれて、噺か夢かマボロシか・・・となっておられましたが、それもいいじゃありませんか。ノリが悪い噺じゃ眠ることだって出来ないものね。
打ち上げに誘われたものの、そんなヤボじゃありませんやね、と辞退して夜の東長崎を大江戸線落合東長崎駅に向けて急ぎつつ、そういやこの近くにトキワ荘はあったのだなあ・・・と夜を徘徊したなんて話はまた今度!!