吉坊一人会@経堂さばの湯


吉坊一人会@経堂さばの湯
青菜
中入り
軽業



観てきた歌舞伎の義経千本桜のはなしをマクラに季節にぴったりな青菜へ入る。
今日は夏のように暑かったからこの噺はぴったりだ。植木屋は賑やかでたのしい奴だし、
女房のお咲さんも口は悪いが亭主の無理をきいて押し入れに入っていくかわいさがある。
吉坊さんは青菜をここでかけるのは久しぶりだと打ち上げの場で語られていた。
ここでやり始めた初日とあと1回、今回は3回目くらいではないか、と言われるが私はその全てを聴いている。
初回の時には終演後、吉坊さんに尋ねた。吉坊さんがやられた「青菜」は植木屋が旦さんに御馳走になって帰ってきてもお咲さんが「いま時分までどこのたくりけつかんねん、このアンケラソ!」と言わないし、植木屋が大工に御馳走しようとする時、「あー植木屋さん」と声掛け続け「植木屋はお前や、わしは大工や、どつくでしまいに」とエスカレートしていかない、いたっておとなしくシューとしたキレイな「青菜」だったので、どうして?というような質問をしたのである。
すると、吉坊さんはこの噺を南光師に習い、南光師は先代文我師に習った、いわば2代目春団治の流れのやり方だと教えていただいた。
成る程と思ったものの、前回聴いた時から「植木屋はお前や!」が入ってきて、今日も「どつくでしまいに」入りの「アンケラソ」はなしパターンに変化していた。
南光師が「どつくでしまいに」容認に変わられたそうだ。師の「青菜」も聴いてみたい。


もう一席の「軽業」は見台に小拍子が活躍し、見ても聴いても楽しい旅噺。お三味線の松本優子さんも大忙しだ。
大阪で聴けば太鼓や銅鑼など総動員で更に賑やかだが、それは脳内で補完する。


気持ち良い2席を聴き軽く打上てから場所を移動しはしご酒で夜は更けていった。