落語研究会 小三治登場!

落語研究会国立劇場小劇場

三之助 棒鱈 途中から入場

雲助 付き馬

仲入

夢丸 佐野山

小三治 転宅


6時半開演なんで早退しないと間に合わない、今日は小痴楽の開口一番だったんで、仕事がヒマなら早退したいぐらいだったが、そうは問屋が卸さない、逆にチコッと残業の瘤がついた。オマケに鈍な事に乗り換え間違えて新宿で降りてしまった。本当なら井の頭でそのまま渋谷、半蔵門線乗換で半蔵門なのにね。仕方ないので中央線で四ツ谷まで出てタクシーで駆けつける。
すると高座は二人目に突入済だ。
三之助の達者な棒鱈に驚きいったが、きけば年がら年中棒鱈ばっかりやってる棒鱈屋らしい。しかし確かにいいね、この棒鱈屋の棒鱈は買いだ。
雲助の「付き馬」もたっぷり楽しむ。冒頭でちょっとつまってヒヤリとしたがその後はスラスラと出て安心した。でもこうした噺はニンじゃないような気もする。
夢丸は兎に角大売出しの詰込放題の袋の様になんでも詰め込むんだな。その中には面白いものもあるんだが、ちょっとひいてしまった。毒のある言葉も詰め込むんだが、ご本人が一之輔から毒を抜いた感じなんで笑いがはじけない、と少なくとも私は思った「佐野山」だった。
さて、お待ちかね小三治登場! のらりくらり地震のマクラから頬緩みっぱなしの「転宅」だった。
マクラは阪神大震災の時はやなぎ句会だった、と地震話をし出して、311の時は新潟行きの新幹線車内で熊谷で下され線路を歩いたとか、はは〜ん、こりゃ先の北海道地震の、小平で聴いた函館のマクラかと思えばそこを通るものの、その先の翌日だかの札幌講演(これが「歩んで来た道」っていう講演なんだって!!)の話しに入って、稚内から来た人がいた話からバイクでツーリングで稚内の方に行った時に「子供にどこから来たの?」て訊かれた話しに繋がっていくという、誠にぐずぐずのオジンのおじやのようなマクラだったんだけど、それでもいいんだよね。普通の噺家がやったらひっぱたかれるよ。そこから石川五右衛門の噺(これもマクラだね)に入り「転宅」へ、少し左を向くのが不自由そうだったけど、いや結構でした。やはり小三治はもっと聴きたいな、といつもより30分オーバーした国立劇場をあとにしたのでした。 敬称略


十代目 柳家小三治 (別冊太陽スペシャル)