「桂吉坊がきく藝」出版記念落語会


昨夜は浜離宮朝日ホールへ「『桂吉坊がきく藝』出版記念落語会」へ行ってきました。
20日の米二師の落語会でチケット購入したんですよね。
場所は大江戸線築地市場からスグの朝日新聞東京本社横です。

朝日新聞社が出版していた月刊誌「論座」に連載していた「吉坊がきく藝」の出版記念落語会です。「論座」というのは堅い雑誌でねえ・・・まあ、雑誌なんでぶ厚いもののそれ自体はペラペラと柔らかいものの、内容はカチンカチンです。内容だけ言えば、堅焼きせんべいが本になったようなもんですわ。(どんな本やねん)
なにしろ堅過ぎて廃刊になった程!!です。そう、もう廃刊で今では売っておりません。
その連載10回分を本にした朝日新聞はエラい。また、記念した落語会もエラい!!
入場料は3,000円ですが、その本(下欄参照)付きの小さなサイン色紙付きですよ。オマケに加藤武御大との対談付きで、付き付き付きのアッコちゃんです。(赤塚不二夫の「秘密のアッコちゃん」のアニメソング参照)
加藤武(たけし)さんご存じありませんか? まあ名前んトコをクリックしたら簡単な説明がでてきますが…どう? 「ようしっ、わかったぁ!!」そうそう、そう言いながらポンと手を打つ、「犬神家の一族」をはじめとする石坂浩二金田一映画でお馴染みの等々力警部ですよ。そうそう大河「風林火山」にも武将役で出陣していたましたよ。
私はアメリカTVドラマ「警部マクロード」の上司役の声優としても忘れがたいのですが…これでわからにゃハイそれまでヨ♪


開口一番として佐ん吉さん、「三三・吉弥ふたり会」に続いての登場です!! 
東京ではよく聞く噺である「手水廻し」・・・大阪ではトイレのことを手水(ちょうず)、手水を使うなどと申しましたが、同じように顔を洗ったり、歯を磨いたりも「手水を使う」と言うたんですな。丹波へやってきた旦那さん、気持ちよい朝に、部屋の縁側で手水を使おうと、「コレ、手水を廻しとくなはれ」と女中に声を掛けたところが、意味わからんと大騒動・・・和尚さんに尋ねたら、「『ちょうず』とは『長頭』じゃ」と、隣町の長頭が呼ばれてきて旦那さんの目の前で頭を廻しだした!!!

さて、吉坊登場!!
童顔の27歳、期待の若手です。まずは「鷺取り」!! 
なかなかの大ネタですな。アホが鳥の捕獲をもくろむという噺です。大阪北野の円頓寺の池で鷺の大量捕獲に成功するが目覚めた鷺達に空高く飛ばされて・・・詐欺に合ったみたいや!!と叫ぶという噺。
冒頭、おやっさんに「今どこに寝てんねん」と訊かれて、「そら、布団の中です。まだ公園で裸で寝る程落ちぶれてません」とやって、大爆笑になりました。
それはそうと、草?君がんばれ!! 酔っ払いは君の見方や!!!

さてさて、対談
これも楽しみにしておりました。
加藤武さんは作家で演芸評論家の正岡容(いるる)門下で桂米朝師匠のいわば弟弟子にあたるワケなんです。
築地の旧町名小田原町の出身である話や、戦前から見続けた歌舞伎の声色を朗々として拍手喝采・・・戦後、早稲田に入学すると大学前に片足の露天靴屋がいた話も絶品!!! ある日、上野池之端の講談定席「本牧亭」に出掛けたところ、片足で跳びながら出てきたのが、なんとその靴屋の主にして二代目伊藤痴遊!!
語り出したのが「満州某重大事件」・・・
いわゆる関東軍による張作霖爆殺事件ですな。
軍閥の首領張作霖満州鉄道のVIP車両で麻雀をしていて、まさに国士無双をあがった、その瞬間!!ドカーアアアアン!!!
講談師見てきたような嘘をつき、ってヤツですね
いやあ、面白かったです!!!

中入り後に
吉坊、渾身の「口入屋」
今で言う派遣会社ですな。女の子を半年・一年契約でお店の女子衆(おなごし)として派遣するのが「口入屋」
ベッピンさんの「おなごし」が来ることになって番頭大興奮で店は大騒ぎという楽しいお噺。
ベッピンさんの京出身の「おなごし」が自分の紹介をする長台詞をスラスラ言うのが大変なんですが・・・吉坊さんは前半よかったのに、後半少し噛んでしまいましたね。
御寮はんに何が出来るのかを問われて・・・

、卒爾ながらお手本ぐらいは書かせていただきます。
書は御家流、仮名は菊川流でございます。盆画、盆石、香も少々は聞き分けます。お手前は裏千家、花は池坊、お作法は小笠原流謡曲観世流、剣術は一刀流柔術は渋川流、槍は宝蔵院流、馬は大坪流軍学は山鹿流、忍術は甲賀流、そほのか鉄砲の撃ち方、大砲の据え方、地雷の伏せ方、狼煙のあげ方・・・

まあ、私は噛まずに言うのはムリやね・・・



桂 佐ん吉  手水廻し


桂 吉 坊  鷺 取 り


対 談    加藤 武 × 桂 吉 坊


中入り


桂 吉 坊  口 入 屋






さあ、本も読もうっと!!!
対談の相手は全て大先輩です。
小沢昭一茂山千作市川団十郎竹本住大夫立川談志喜味こいし・宝生閑・坂田藤十郎伊東四朗、そして桂米朝の10名の方です。

桂吉坊がきく 藝

桂吉坊がきく 藝

また、感想アップしますね♪