リビング名人会 立川談志  6/29有楽町よみうりホール

昨日、大阪から夜帰ってきてそのまま有楽町よみうりホールに直行しまして「リビング名人会 立川談志」を聴いてきました。
ようやく談志師匠に会えましたよ♪ 多くの方が今現在至高だという師匠の噺に対面することが叶いました。
思えば、もう12-3年は前ですね。池田市民文化会館での「米朝・談志二人会」を聴きに行ったら、談志先生「頭が割れるように痛い!!」とかでご欠席、代理で登場したざこば師が「あれは仮病や!! 許されへん!!」と怒る怒る。(笑)
その1年後だかに同じ文化会館で「談志独演会」がありましたが前売りが取れず、当日券も少しはあるかと出掛けたものの一枚もなく、モニターでしゃべる談志師の姿を拝んでトボトボ帰った・・・それ以来トントご縁なし
今や(というかおそらくその頃から)談志師の会はプラチナチケットで入手困難。何度かオークションでも探したが万を超えたら手が出ない。ところが、今回はオークションで運良く定価+2,000円ほどで入手出来た♪ よし初談志だ!!



リビング名人会 立川談志 よみうりホール


立川談修  家 見 舞  のち踊り「奴さん」


立川談志  ずっこけ


中入り


立川談志  よかちょろ 〜 山崎屋



談志伝説も色々聞いているし、実際に(先に書いた通り)遭遇しているから、高座に出てくるまでは安心出来ない。
まずなんとか開口一番で談修さん登場。
ネタは慕っている兄貴の新婚新所帯に贈り物しようとバカな兄弟分二人がなけなしの銭できったない水瓶を買う噺。
口調はきれいだが、一言でいって味がないなあ。硬い。これではなかなか江戸の世界に入れない。一席終わって立ち上がり「奴さん」を踊る。うまいもんであったが、開口一番で踊るもんかしら?と不安になってきた。
それでも、名ビラが「談志」に変わり、出囃子も鳴り出したんで安心したが・・・
出てこない。待てども待てども出てこられない。
延々と続く出囃子・・・
本当に出てこない。遂に出囃子も終了。
今日も聴けなかったのか、と諦めきった、その時、再度出囃子が鳴り出して御大ヨロヨロとご登場!!
ゆっくりゆっくり高座に向かい、どっこいしょとしんどそうに座る姿を見ていて、『昭和天皇』に似ているなあ・・・と思ったものです。
まあ、出てきた。よかった。
実にしんどそうで、口もしゃがれきった小声・・・「まさかまた落語をやるとは思っていなかった」なんて言いながら、渋い顔でブツブツしゃべりだす。
誰かに似ているなあ、と見つめていると中野重治を思い出した。
小話やゴシップネタを色々しながらお酒の落語に入っていく。「ずっこけ」
落語に入るとどんどん元気になってきたので安心する。
酔っ払いを連れ帰った男に、その酔っ払いの女房が語りだすノロケがいいね♪
噺の途中途中で脱線し、落語批判などが入るのも面白かった。

中入り

15分の中入りだったが、ブザーが鳴ってからが延々と長かった・・・。緞帳の横山大観描く富士をじっと見ていて、閑だから顔に見えるところが何箇所あるかなああ、なんて眺める程長うございました。顔3つ見つけましたよ。
ようやく幕が開き、出囃子が鳴り出す。
ところが、これも延々ですわ。一旦終了し、また鳴り出すという先程のリフレイン。
袴姿で昭和天皇、じゃなかった談志師匠登場。
普通、袴でご登場となるとお武家様の出てくる噺、とこうなりますが、「足の筋肉が痛くて正座出来ないんだよぉ」とのこと。
今度は18番のひとつ「よかちょろ」
日本橋横山町の大店の若旦那、大金の集金に出掛けたまま帰ってこない。なんと吉原に居続け!!!
「お金も使い切った」という倅に親父が何に使った!!と問い質せば・・・「『よかちょろ』を買った」という。「なんだ、その『よかちょろ』というのは!!」と怒る親父に「ではご覧にいれましょう」と変なフシで歌いだす♪ その歌が「よかちょろ」
やはり、「しゃがれ声」で通らないから、「よかちょろ」歌っても楽しさが突き抜けないですね。残念。
噺は若旦那と番頭のやり取りに変わって「山崎屋」と続きましたが、最後は小噺の連打!!!
まあ、お茶を濁した感なくはないけど、談志師らしくていいんじゃないですか!?
一度緞帳が降りてからも、アンコールのようにもう一度あがって、小噺連打を頂戴致しました。

成る程ね。これが談志師でしたか。やはり声が出ている頃に一度お聴きしたかったもんです。ただ、味は相当ありますので、一夜干というより、くさやの干物くらい漬かっているんじゃないでしょうか。
また、是非とも、お目にかからせていただきたいものでございます。

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